新しい広角の単焦点レンズ「ライカ アポ・ズミクロンSL f2/35mm ASPH.」は、幅広い用途に対応できる使い勝手の良いレンズです。高速オートフォーカス機構、堅牢な設計と圧倒的な描写力を備えており、様々な撮影ジャンルに対応できます。ライカSLシステムの相性も非常に良く、プロフェッショナルの過酷な撮影状況下においても活躍するレンズです。
瞬時にきわめてシャープに描写
Dual Syncro Drive TMを採用したAFシステム
アポ・ズミクロンSLレンズのオートフォーカスは、高速、高精度、静音性が特長で、この優れたAF性能の理由は、その駆動ユニットにあります。アポ・ズミクロンSLレンズが搭載している駆動ユニットでは、Dual Syncro Drive TMを採用したきわめて強力で耐久性に優れたステッピングモーターを使用しています。これにより、きわめて速いオートフォーカスを実現しています。
設計にあたっては、光学系とメカニズムの専門技術者と電子技術のスペシャリストがチームを結成し、ダブルインナーフォーカス方式に基づく特殊な構造の光学系を目指しました。2枚のきわめて軽いフォーカスレンズを採用することにより、非常にコンパクトな駆動システムが実現できました。
SLシステムではオートフォーカスにコントラスト検出方式を採用しています。コントラスト検出方式では、複数の焦点位置で被写体のコントラストを計測して合焦位置を特定することで、高精度なピント合わせが可能になります。そのため、コントラスト検出方式で要求される速い速度でフォーカスレンズを前後に移動させなければなりません。したがって、必要となったのは無駄な動きがない高性能な駆動システムでした。
優れたコントラスト性能 奥行き感のある描写
開放F値はF2で、より明るいレンズに比べてサイズはきわめてコンパクトですが、同じように奥行き感のある描写が得られます。
写真では一般的に、コントラストがきわめて高い部分はシャープに見え、逆にコントラストが低い部分はそれほどシャープには見えません。これが奥行き感として認識されます。アポ・ズミクロンSLレンズの場合は通常のレンズよりもコントラストの差がきわめて大きく、ピントが合っている部分のコントラストが、ピントが合っていない部分よりもかなり強くなります。つまり、ピントが合った部分が前景や背景よりもいっそう際立ち、より効果的に強調されます。そのため、奥行き感が印象的で立体感のある表現が得られるのです。
新たなスタンダード
洗練された光学系とメカニズム
開発においては、迷光と反射光の低減も最重要課題のひとつとして重視しています。その結果、光学系とメカニズムの設計を最適化することや、レンズの表面に上質なコーティングを施すことで、反射を極限まで抑えています。
複雑な電子回路 快適な操作性
SL用アポ・ズミクロンレンズの主な機能であるオートフォーカス、マニュアルフォーカス、絞り値の設定はすべて、さまざまな制御システムの働きや演算に基づいて動作が行われます。そして、ダブルインナーフォーカス方式を採用しているため、搭載する電子回路に求められる動作もきわめて複雑になります。
すなわち、2つの別々のフォーカシングユニットが完璧に同調して機能し、なおかつ繰り出し位置の情報を非常に高いサンプリングレートで分析してカメラ本体に伝達することが求められます 。レンズからカメラへの情報伝達速度はきわめて速く、タイムラグはまったく感じられません。これは、コントラスト検出方式による高速・高精度なオートフォーカスの実現に欠かせない最も重要な条件です。
一方、絞りの駆動はステッピングモーターが行います。このステッピングモーターでは、特殊なマイクロステップ制御システムにより、高速かつ高精度で振動を最小限に抑えた駆動が可能になっています。
マニュアルフォーカス
これまでにない操作性
マニュアルフォーカスを行うためのフォーカスリングでは、磁極を反転させることができるリング状の磁石を搭載するという、これまでにないまったく新しい構造と仕組みを採用しています。フォーカスリングを回すとこの磁石の磁極が反転し、それをセンサーが検知してその情報をメインプロセッサーに伝達します。その情報からフォーカスリングの回転角度と速度に基づいてピントの位置を調節する仕組みになっています。
また、ほこりや水滴の侵入を防ぐとともに衝撃 にも強い構造になっています。気温が変化してもその影響を受けず、高精度なピント合わせが可能です。さらに、長年使用しても無駄のないスムーズな動きが変わることはなく、常に快適に操作できます。
卓越したデザイン ディテールにまで配慮
軽量・コンパクトでホールド性と質感にも優れたデザインにより、きわめて快適に撮影できます。「ライカ アポ・ズミクロンSL f2/75mm ASPH.」と「ライカ アポ・ズミクロンSL f2/90mm ASPH.」はほぼ同サイズですので、レンズを取り換えても違和感なくマニュアルフォーカスを行うことができ、またホールド感も変わりません。
オートフォーカスが速く軽快で心地よいレンズです
Matt Stuart(マット・スチュアート)
新しい広角の単焦点レンズ「ライカ アポ・ズミクロンSL f2/35mm ASPH.」は、幅広い用途に対応できる使い勝手の良いレンズです。高速オートフォーカス機構、堅牢な設計と圧倒的な描写力を備えており、様々な撮影ジャンルに対応できます。
世界的に名高いストリートフォトグラファーのMatt Stuart氏が、新レンズ「ライカ アポ・ズミクロンSL f2/35mm ASPH.」を用いて、英国の首都・ロンドンでストリート撮影を行いました。Stuart氏はレンズから感じたインスピレーションをもとに、冬の午後の暖かな日差しが降り注ぐリッツホテル付近で撮影しました。その時の撮影について、また35mmレンズに対する愛情についてStuart氏に話を聞きました。
テクニカルデータファイル
コード | 11184 |
画角(対角線、水平、垂直) | 63.4° / 54.4° / 37.9° |
光学設計 | |
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レンズ構成 | 11群13枚 |
非球面レンズ | 3枚 |
入射瞳位置(バヨネットからの距離) | 66.4 mm |
測距 | |
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合焦範囲 | 0.27m ~ ∞ |
最小撮影面積 | 120 x 180 mm |
最大撮影倍率 | 1:5 |
絞り | |
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設定方式 | 電子制御式、1/2段または1/3段ステップ(カメラ側で設定) |
設定範囲 | F2~F22 |
最小絞り | F22 |
レンズマウント / センサーフォーマット | Lマウント / フルサイズ(35判) |
フィルター取り付け部 | E67 |
寸法 / 質量 | |
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長さ(先端からバヨネットフランジまで) | 102 mm |
最大径 | 73 mm |
質量 | 750 g |
レンズ構成について
光学系を構成するレンズなどのガラス部品は光を屈折させますが、屈折率は色によって異なります。そのため、複数の色からなる光では焦点が一点に集まりません。これによって発生するのが色収差です。この色収差を最小限に抑えるために、「ライカ アポ・ズミクロン SL f2/35mm ASPH.」にはアポクロマート補正を施しています。アポクロマート補正のために、光学系を構成する13枚のレンズの大部分に異常部分分散特性を持った高品質な特殊ガラスを用いています。これらのレンズは、ライカの工場でこれまで採用してきたレンズの製造方法の技術的な限界を打ち破る革新的な方法で製造されています。また、非球面レンズも5枚採用しています。
Lマウント
クリエイティブな表現の幅がぐっと広がる
Lマウント規格により、非常に優れた新たなレンズの互換性を実現する新時代が始まります。異なるセンサーフォーマット向けのさまざまな交換レンズとライカのカメラを組み合わせて、無限に広がる選択肢を実現できるようになります。
このたび、ライカカメラ、パナソニック、シグマの3社が提携し、カメラおよびレンズの設計分野で積み重ねた計250年におよぶ経験を、1つのプラットフォームへ統合することが実現しました。これにより、3社がもつ幅広い製品ラインアップから、カメラとレンズをほぼ無限ともいえるほどのバリエーションで組み合わせてお使いいただくことができるようになります。それぞれの撮影状況にマッチした、ベストソリューションを見つけていただくことができるでしょう。
詳細は、www.l-mount.com(英語)をご覧ください。
ライカ製品を登録して、特別な特典を
ご購入後3か月以内にライカアカウントに製品を登録することで、お持ちのライカカメラやレンズの保証期間1年間(12ヶ月)延長サービスと、『LFIマガジン』デジタル最新版3号分の無料購読サービスをご利用いただけます。本サービスの対象となるのは、ライカ正規販売店で購入された、新品製品のライカQシリーズ、ライカMシステム、ライカSLシステム、ライカD-LUX8およびライカWatchです。(中古品・ビンテージ品は対象外です)