「どこか遠く」にあこがれて
自分の感覚を探して
「どこか遠く」に抱く切ない想いは、ユリアの作品の核となる感情です。それは、まだ見ぬ場所へと引き寄せられる抗いがたい力。未知への憧れ、よく知る日常の「あちら側」にある光、色、そこでの物語を求める強い思いが、ユリアを作品づくりへと向かわせます。
旅・インテリア写真家として、ユリアはこれまで世界各地の美しい場所を訪れてきました。そうした旅のほとんどで彼女は、目的地よりもそこに至るまでの道のりを大切にしてきました。ある場所を単に記録するのではなく、実際にそこにいる時の自分の感覚そのものに全神経を集中させます。
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「あるストーリーを伝える、ささやかで、演出のないありのままの瞬間を捉える──それが私の目指す写真です。そうした瞬間は、一枚の写真を単にその場所を記録するだけのものではなく、私自身の思い出の一部となる私的な存在へと変容させます」
ユリア・ニムケ
未知の世界に居場所を見つける
「写真を撮る」という行為は、ユリアの一人旅にひとつの意味を与え、旅という時間に意識的な深みをもたらします。カメラを手にすることで、彼女は歩みを緩め、他の人が見過ごしがちなものにも目が向くようになります。繊細なディテールや、その場所を生身の存在として感じさせる、飾り気のない、ありのままの表情。
そこでは、カメラは静かな同行者です。手の中にカメラがあることで、ユリアは見知らぬ街でもためらいや不安を覚えることなく、つながりを築くことができます。そのきっかけとなるのは、ひとつの質問、短いやりとり、見知らぬ人との交流の瞬間。
まさにその一瞬、「どこか遠く」にあったものが、ごく身近なものへと変わります。その場所は、ほぼ自分の居場所といっていいほどの親しみを感じさせる空間へと変容します。
レンズを通してユリアは、ある場所を単なる通過点ではなく、深く入り込む場へと変えます。旅を終えたあとも長く記憶に刻まれるものとして、その場所に抱いた印象のひとつひとつを拾い集めるのです。
「旅をするとき、私は目に見えるものをただ撮るのではありません。見えていない部分も含め、出来事全体に完全に入り込むにはどうすればよいかを探ります」
ユリア・ニムケ
ユリアの使用機材
ユリアにとって、カメラは軽量で直感的に操作でき、すぐに取り出して使えるものでなければなりません。撮影では「ライカQ3」と「ライカQ3 43」を使用します。いずれも、彼女の視覚的アプローチにぴったりのコンパクトなモデルです。持ち運びしやすさと優れた性能を備えた両モデルは、どんなシーンもクリアかつ奥行きのある一枚に仕上げます。
二つのカメラの真髄は、シンプルな操作性、そしてそれと好対照をなす複雑な光学機構。使いやすく、卓越した光学性能を持つカメラのおかげで、設定や操作に気を取られることなく、どんなときも目の前のシーンだけに集中することができます。
それぞれのカメラの焦点距離は、その場所の捉え方に決定的な影響を与えます。
28mm焦点距離レンズ搭載の「ライカQ3」は、広範囲を包み込むように捉える視野で雰囲気や内部空間の描写に優れ、その場にいる環境全体を表現するのに最適です。
43mm焦点距離レンズ搭載の「ライカQ3 43」は、自然な視野角で、ディテールやポートレート、静寂な瞬間を捉えるのに適しています。
二つのカメラを使い分けることで、「身近な距離」と「意識的な観察」の間を行き来し、彼女の意図のままに画づくりすることが可能になります。
ゴールの先にあるもの
ジュリアの「見る」方法は、決まった型ではなく、一つの考え方です。
このショートビデオでは、彼女の光の扱い方や、細部、パターンへの気づき、前景の活かし方、そして反射や影を通して自分自身をフレームの一部に取り込む方法など、シンプルなアイデアを紹介しています。
瞬間をとどめる
旅が終わっても、その過程で拾い集めた一瞬一瞬は残り続けます。
その場では気づかれないほどささやかなディテールであっても、時間が経つほどに深く響いてきます。それらは単なる視覚的な記録ではなく、感情とともに場所の記憶を形づくります。
旅の記憶は、やがてひとつの写真集というかたちに収められていきますが、それは単なる写真の集まりではありません。物理的な再訪ではなく、感覚的な回帰として何度でもその場所へ戻ることを可能にする、終わりのない物語なのです。
ユリア・ニムケ
ベルリン在住の旅・インテリア写真家。その作品は、撮影地とのつながりを色濃く感じさせる。若い頃から写真に興味を持ち、暗室でのフイルム現像やプリント作業で実践を積み始めた。22歳で写真の専門教育を優秀な成績で修了。
ユリアの撮影の原動力となるのは、未知のものに対する好奇心である。見知らぬ存在に惹かれ、なじみのない環境を歩き回り、見過ごされがちな細かな部分を自身の感覚で捉えようと、新たな世界を探訪する。撮影では、ある場所の単なる記録ではなく、実際にその場所にいるときの感覚に焦点を当てている。
こうしたアプローチは旅行、ホテル、ライフスタイル分野の著名なクライアントから評価され、作品はこれまでにBelmond、Lufthansa、Condé Nast Traveller、Soho House、Mandarin Orientalなどで起用されている。さらに、North American Travel Journalists Association、Society of American Travel Writersによる表彰や、Applied Arts Photography & Illustration Awards受賞などの功績を誇る。
演出のない、ありのままの表情を伝える瞬間を捉えた作品を多く手掛けている。