Illumination
“ これまで長い間「ライカSLシステム」を愛用してきました。「ライカSL3」は軽量なボディに私が求めるすべてのプロフェッショナルな機能を備えています ”
ライカは写真界で輝かしい伝統を誇り、時代とともに進化を遂げ、歴史に残る足跡を残してきました。デザイン、人間工学、クラフツマンシップの限界に挑み続けるライカは、常に革新的な製品を世に送り出しています。
「ライカSL3」は、高解像度の静止画の撮影から8K動画の撮影まで簡単に切り替えることが可能で、さまざまな撮影環境に適応します。アリゾナ州モニュメントバレーの夜明け前の凍てつくような寒さと、エジプトの砂漠の風と砂埃が舞う中でテストしましたが、堅牢な作りと防塵シーリングは素晴らしく、信頼に足るものでした。ボディが小さくなり、軽量化された「ライカSL3」は、私にとって完璧なサイズと重さだと思っています。
このプロジェクトのコンセプトはどのようにして生まれたのですか?
芸術的な探求、個人的なつながり、そしてコラボレーションの相乗効果を組み合わせることによって、このコンセプトが完成しました。私が惹かれたのはニューメキシコのエネルギッシュな豊かさ。そこには数年前にホワイトサンズ国立公園を訪れたときに経験した、ありのままの自然の美しさを見た時のように、人を惹きつける魅力があります。「ライカSL3」のリリースに合わせてストーリーを考えた時、直感に従ってアメリカ南西部のニューメキシコを訪れました。これまでネイティブ・インディヘナのファッションデザイナーと頻繁にコラボレーションしてきたことで、文化、土地、歴史を通じ、ファッションとデザインが意味ある形でつながるストーリーテリングに興味を持つようになったのです。
サンタフェを拠点とするディネ(ナバホ族)のデザイナーであり、コミュニティ・リーダーであるエイミー・デネ・ディールにコンタクトを取りました。エイミーは4KINSHIPというブランドを運営し、ニューメキシコ州の大部分を占めるナバホ族居留地で、先住民たちの才能を磨くことや資金調達の活動に力を注いでいます。私はこのコミュニティ活動に着目し、地域や保留地に関連するアート、ファッション、カルチャーのさまざまな分野において、新鋭の才能を紹介するコンセプトを練り上げました。今回のプロジェクトで取り上げたのは、ダンサーでモデルのポヴィ・マルティネス、ミュージシャンでモデルのルカア、そしてプロのスケートボーダーでコミュニティ・リーダーでもあるショーン・ハリソン、この3人の素晴らしい才能。畏敬の念を抱かせるようなニューメキシコの荘厳な景色や色彩の変化、先住民の文化、そしてアートやコミュニティの取り組みが起こす変容の力といった豊かなタペストリーを織り交ぜながら、流れるようなストーリーで、見る者を旅へと誘うことを目指したのです。
このプロジェクトの視覚的アプローチについて教えてもらえますか?
視覚的アプローチに関しては、「ライカSL3」の性能とこの地域の息を吞むような絶景の両方を紹介することを目的としました。シネフォトグラファーのジョー・カミは、「ライカSL2-S」と「ライカSL3」のコンビネーションに、複数のレンズを組み合わせることで、さまざまなシーンの撮影に臨んでいます。
実際には、「ライカSL3」とライカSLのアポレンズ、そしてMレンズを組み合わせて撮影しました。時折レフ板を使用しながら自然光のみで撮影し、有機的な感覚を残すようにしています。「ライカSL3」のカラープロファイルも重要な要素で、豊かでニュアンスのある色彩を捉えることができるため、環境や被写体の本質を見事に反映した視覚的なストーリーが生まれました。
このプロジェクトから何を感じ取ってもらいたいですか?
このプロジェクトに込めた想いとは、写真家や映像製作者に、独自のストーリーや現実を切り撮った写真を創り出すためのインスピレーションを与えることです。写真や映像というのは、多様な視点を共有するためのパワフルなツールであり、誰もが表現する価値を持っていると私は信じています。現実をとらえる唯一の正しい方法はなく、常に主観的なものであり、それが説得力を生む。この作品の視覚的なストーリーテリングを通して、それぞれが自分自身のユニークな視点を探求するきっかけになればと思います。異なる文化やコミュニティのドキュメンタリーであれ、見知らぬ土地の探検であれ、単に個人的なビジョンの共有であれ、すべての作品が人々の世界に対する共通理解をより深いものにするでしょう。このプロジェクトが、視野を広げ、好奇心を刺激し、共感を育む映像メディアの力を人々に思い起こさせることを願ってやみません。現実の世界に対する個々の見方を共有することで、人としての経験をより豊かでニュアンスのある画として描くことができるのですから。