THE WORLD DESERVES WITNESSES ― 少年時代の輝き ―
これは、偶然がもたらした写真です。無垢な少年から多感な青年期への移行をよく表していて、とても気に入っています。私は、慎重に構図を決めて人々を驚かせるような瞬間を並置することが好きなんですが、この写真は私の好きな撮影方法を完璧に表現しています。この写真を見ると、みんな笑ってくれるのが嬉しいですね。この時は、砂浜で、壁一面に描かれたグラフィティの前でローラースケートを履いた女の子たちが自撮りしていて、ちょっと変わった光景だなと思って見ていたら、突然、壁の向こうから小さな男の子がヒョイと顔を出したんです。アッと思った時にはもう遅くて、心の中で地団駄を踏みました。でも、まだチャンスがあるかもしれないと気を取り直して、カメラを構えたんです。すると今度は、その男の子の友達がヒョイと顔を出したので、すかさずシャッターを切りました。それがこの写真です。このプロジェクトでは、お気に入りの「ライカMモノクローム」を使用しています。ストリート撮影に適した唯一のモノクローム撮影専用カメラです。
THE WORLD DESERVES WITNESSES ― 少年時代の輝き ―
私はレバノンとの国境に近いイスラエルの小さなキブツで生まれ、パリの郊外で育ちました。現在は妻と十代の子ども2人と一緒にカリフォルニアに住んでいます。成人してからずっと写真を撮ることが好きでしたが、プロの写真家になったのは6年位前のことです。
私は楽しみながら自然にイメージを膨らませていくタイプ。無彩色の美しいモノクローム写真のほうが好きです。モノクローム写真は柔軟性があり、照明条件に関係なく、ありのままの瞬間を捉えることができると思います。構図や配置も重要ですが、特定のスタイルにこだわってはいません。自分がその瞬間を楽しむことが大切ですから。
フォトグラフィーは、他人の人生を垣間見る方法です。
ストリート撮影に適したシンプルなカメラだからです。最近のカメラは、コンピューターエンジニア出身の私にとっても複雑と思えるほどですから!「ライカMシステム」はとてもシンプルで、撮影時に意識の邪魔になりません。変に存在を主張しないので、自分の体の一部のように馴染むんです。パリに旅行したとき、35mmレンズを搭載した「ライカM9」を借りてみたら、すぐに惚れ込んでしまって。1ヶ月後が誕生日だったので、自分へのプレゼントに初めて「ライカMシステム」を買いました。それ以降、デジタルカメラはライカ一筋ですね。