100 years of Leica: Witness to a century (1925-2025)
技術向上と写真芸術の確立において革新を続けてきたライカ
ウェッツラー、2025年 6月26日:ライカカメラ社(Leica Camera AG、本社:ドイツ・ウェッツラー、以下ライカ)は今年「ライカI」誕生100周年を迎えています。1925年にライプツィヒ春季見本市で発表されたのがライカ初の量産35mm判カメラでした。小さく扱いやすいサイズが大きな特長だった「ライカI」は写真の新たな用途の可能性を切り拓き、写真の世界へ革命をもたらしました。ライカはこの伝説的カメラの生誕100周年を「 100 years of Leica: Witness to a century (1925-2025) | ライカの100年:世界を目撃し続けた1世紀」と銘打ったセレブレーションを展開するとともに、小型カメラの量産を決断し、35mmフィルム規格を業界で標準化させるなど先見の明ある起業家であったエルンスト・ライツ2世の功績に注目します。100周年という節目を迎えるにあたり、歴史に燦然と輝くライカブランドのこれまでの歩みをたどり、フォトグラフィーの今後を展望します。
「ここに決断を下す。リスクは覚悟の上だ」
── この意欲的な言葉とともに起業家のエルンスト・ライツ2世はオスカー・バルナックが開発した画期的なカメラ「ウル・ライカ」を改良し量産に乗り出しました。エルンスト・ライツ社の試験部長だった精密機械技術者 オスカー・バルナックは余暇によく写真を楽しんでおり、それまでにない小型の35mm判カメラの開発に取り組んでいました。
1914年にはすでに初代ライカカメラの試作機を完成させていたものの、世界大戦の煽りで改良は大幅に遅れることになります。
1925年3月1日のライプツィヒ春季見本市における「ライカI」の発表は、先見性と企業理念を示すものでもありました。国内外の関係者が一堂に会する同見本市は、すでに当時から技術革新の発信・交流の場として広く認識され、多くの関心を集めていました。ライツのブースから写真界の革命が始まったのです。この日を境に、当時「Anastigmat(アナスチグマート)」と呼ばれた 1:3,5/50mmレンズを搭載した「ライカI」は栄光の階段を一気に駆け上がり、「ライカI」で採用された 24×36mm判が世界標準のフィルムサイズとして定着しました。
アレクサンドル・ロトチェンコ、ジゼル・フロインド、アンドレ・ケルテスといった著名な写真家たちもまた、コンパクトで目立たず、高性能な「ライカI」が持つ可能性をすぐに認識しました。「ライカI」を手にした彼らによって、まさに生きた写真が生まれました。1台のカメラが、決定的瞬間を捉えることを初めて可能にしたのです。これはフォトグラフィーの世界に大きな変革をもたらし、現代のフォトジャーナリズムやアートとしての写真が誕生しました。発売1年目にしておよそ1000台のカメラが販売され、フォトグラフィーの世界で確たる位置を占めるライカブランドの礎がここに築かれました。
「ライカI」はその後も改良を重ね、また画期的な交換レンズの開発でシステムを拡充させていくことで、ライカのカメラシステムはさらなる成功を収めます。1930年、スクリューマウントを採用し、交換レンズ3つを揃えた「ライカカメラ」が初めて登場しました。1932年には、高速かつ高精度のフォーカスを可能にするレンジファインダーを内蔵した「ライカII」が誕生しました。この時には、スクリューマウントは規格化され、これを備えた交換レンズが7本揃っていました。進化を続けるカメラシステムに魅了され、それを愛用する写真家たちのネットワークは着実に深化し、今日のライカでもその企業文化を支える重要な柱として、独自の芸術振興活動を積極的に展開しています。
「ライカI」を皮切りに、革新的な製品開発と未来志向の技術投資によって、ライカは一時代を築きあげてきました。その輝かしい歴史を形作る歩みは今日もとどまるところを知りません。ブランドの強化を目指し、また事業分野拡大に伴う新規顧客の獲得を通じて、ライカは今日も革新を続けます。現在特に注力しているのがモバイルの分野です。世界市場にライカならではのユーザーエクスペリエンスを提供する第一歩として、画期的なカメラグリップ「Leica LUXグリップ」を発表しました。「Leica LUX」アプリとあわせて、ユニークなiPhoneでの撮影体験を楽しめます。
100 years of Leica: Witness to a century (1925-2025)
ライカの100年:世界を目撃し続けた1世紀
ライカは2025年、記念すべき節目の年を迎えています。ライカ初の量産35mmカメラとして知られる「ライカI」がライプツィヒ春季見本市で発表された1925年から100年の時を経て ── 2025年は「ライカI」誕生100周年にあたります。小さく扱いやすいサイズが大きな特長だった「ライカI」は写真の新たな用途の可能性を切り拓き、写真の世界へ革命をもたらしました。ライカは2025年、この節目の年を記念して「 100 years of Leica: Witness to a century (1925-2025) | ライカの100年:世界を目撃し続けた1世紀」と銘打ったセレブレーションを世界の主要5カ国の都市(ドバイ、ミラノ、ニューヨーク、上海、東京)で展開、数々のカルチャーイベントやエキサイティングな新製品をリリース予定です。また、6月には、記念すべき年のメインを飾るイベントがドイツ・ウェッツラーにあるライカ本社にて開催されます。さらに、世界各地のライカギャラリーでは、傑出した写真家の作品を展示する写真展を開催予定です。
ライカカメラ社について
ライカカメラ社はカメラ、レンズ、スポーツオプティクスを製造・販売するグローバルなプレミアムメーカーで、150年以上の歴史を誇ります。近年は成長戦略の一貫として事業領域を拡大しており、モバイルイメージング(スマートフォン)の分野にも進出しています。また、高品質な眼鏡用レンズと時計の製造も手がけるほか、自社製プロジェクターによりホームシネマ市場に参入しています。本社はドイツ・ウェッツラーにあり、ポルトガルのヴィラ・ノヴァ・デ・ファマリカンには第2の製造拠点を置いています。世界各地に独自の販売会社と120を超えるライカストアを構え、グローバルな販売ネットワークを構築しています。ライカは、革新技術が伴った「最高水準の品質」「ドイツならではのクラフツマンシップ」「インダストリアルデザイン」の代名詞となっています。
ライカブランドの文化に不可欠なのは、写真文化の育成へのコミットメントであり、その一環として世界各地に約30箇所のライカギャラリー設置、ライカアカデミーの開催、「ライカ・ホール・オブ・フェイム・アワード(Leica Hall of Fame Award)」や「ライカ・オスカー・バルナックアワード(LOBA)」といった国際的アワードの主催をはじめ写真文化の振興に取り組んでいます。