「ライカSLシステム」で撮る商品写真

2025/07/24
Photographer from behind in a photo studio photographing a man

クリエイター2人が語る:
クリスチャン・ダウリングとアレックス・ドレヴニャック

現在オーストラリアで最も注目を集める気鋭のフォトグラファー、クリスチャン・ダウリングとアレックス・ドレヴニャックに密着しました。ここでは、2人のクリエイティブの制作過程の裏側や写真に対するアプローチを紹介します。

写真家としてクリエイティブな業界で働くことは、心躍ると同時に大きな困難も伴います。常に新たな世界の見方やとらえ方を模索しなければならないからです。単にカメラの使い方を知っていればすむわけではありません。この仕事では、どちらかといえばストーリーを紡ぎ、感情を表現し、視覚言語の力を十分に理解することが必要となります。

「ライカSL3-S」は、それぞれの撮影スタイルに沿った各種セットをご用意しています。

Photographer Alex Drewniak with a Man model

アレックス・ドレヴニャック

写真に対するアプローチについて語る際、アレックスはこう力説しています。「物事の技術的側面、たとえば照明の具合などを理解することはもちろんですが、ひとたび現場に身を置いたら、リラックスしてその場を楽しみ、自分のクリエイティビティの赴くままに身を委ねています」 

アレックスは「ライカSL3-S」に「ライカ ズミクロンSL f2/50mm ASPH.」、「ライカ バリオ・エルマリートSL f2.8/24-70mm ASPH.」を組み合わせて使用しています。

創作プロセスについて

どのプロジェクトも、異なるスタイル、技術、視点を模索する新たなチャンスとなります。照明、構成、色、ムードなどを決める上ですべての中心となるのはクリエイティビティです。クリエイティビティによって、ただの写真が記憶に残る意味深い作品に生まれ変わるのです。

撮影現場には、実験的な手法に対して閉鎖的にならず、オリジナルであろうとするエネルギーが溢れています。同時に、常に自分の評判を高めながら独自のスタイルを追求する場でもあります。ここでカギとなるのが、クライアントの要求や期待と自分の芸術的な表現とのバランスを取る方法を会得することです。クライアントのビジョンを具現化することが、この仕事において最も達成感のある側面のひとつと言えるでしょう。クライアントには、それぞれ独自のストーリーがあります。あらゆる撮影が、このビジョンを視覚的に表現するチャンスなのです。多くの場合、撮影には綿密な対話、ムードを表現したボードの作成、ロケハン、プランニングが必要となりますが、これらすべてをコラボレーションに根差して行わなければなりません。目標とするのは、自分のクリエイティブな洞察力をクライアントのニーズと融合させ、期待に沿うだけではなく期待を超えるものを生み出すことです。

Kristian Dowling

クリスチャン・ダウリング

クリスチャンはこう語ります。「体験がすべてです。そして、自分の仕事に対して独自の視点を持ち、良い作品だけではなくあまり上手く行かなかった作品についても吟味し、何が悪かったのかを自らに問いかけることです」

クリスチャンが今回の撮影で使用したのは「ライカSL3-S」と「ライカ ズミクロンSL f2/35mm ASPH.」、新製品「ライカ バリオ・エルマリートSL f2.8/28-70mm ASPH.」、「ライカ バリオ・エルマリートSL f2.8/70-200mm ASPH.」の3種類のレンズです。

自分だけの声を見つける: クリスチャンの視点

何より大切なのはコミュニケーションです。注意深く耳を傾け、適切な質問を投げかけてクリエイティブなアイデアを共有することで、最初のコンセプトをより優れたものに生まれ変わらせることができるのです。単に良い写真を撮るというだけではありません。クライアントの目指すところと自らのクリエイティブな基準、そのどちらに対しても誠実であると感じられる体験を生むためには、緻密に両者のバランスを取ることが大事です。

若手の写真家は、特に美意識や社会的テーマ、撮影技術における最新の流行などについて、フレッシュな視点を持ち込んでくれると思われがちです。こうした期待も、やる気の源となります。これによって、メインストリームの最先端を走り、自分独自のスタイルを常に洗練させようという活力が生まれるからです。それと同時に、こうした期待が持たれるということは、あらゆる対話において自分の価値を証明しなければならないということでもあります。自分がクリエイティブなだけではなく、手際が良くて信頼でき、コンセプトの考案から最終納品に至るまで、商業的なプロジェクトをきちんと遂行する能力があるということを証明する必要があります。

つまるところ、若手の写真家にとって、自分の経歴、プロセス、人とかかわる能力などを通じて、信頼を構築する必要があるということなのです。それぞれのプロジェクトによって自分のストーリーに新たなページが追加され、ネットワークが拡大され、アーティストとして、そしてビジネスパーソンとしての成長が助長されます。ポートレートであれ、製品であれ、イベントであれ、エディトリアルであれ、きわめて有意義な作品というのは、純粋なコラポレーションと、アイデアを説得力のあるイメージに落とし込むことに対する高揚感の共有によって生まれることが多いのです。