lonely house by the lake with an old boat

世界の果ての冬至

アルフレッド・プーライリー・デ・ラ・プラザと「ライカSL3」&「ライカSL3-S」

2025/12/04

世界地図の末端を行く:ビーグル水道

ビーグル水道は、世界の果てのようでありながら、果てしなく広がっていくことを感じさせる場所でもあります。たなびく一筋のテープリボンのように延びる水道の両脇には、切り立った険しい山々が連なります。雪に覆われた山頂。水辺にまで迫る森。そして刻々と変化する天候が、ここでしか見られないドラマティックな光と風景を描き出します。ペンギン、アシカ、アホウドリ、原住民ヤマナ族の歴史と世界最南端に広がる集落。ビーグル水道を形作るものすべてに、寂寥と興隆の混じり合った独特の雰囲気が漂っています。「ライカSL3」と「ライカSL3-S」を手に、アルフレッド・プーライリー・デ・ラ・プラザは、この類まれなる世界を心に迫る映像や写真として収め、そこで生きる者の姿を描きます。

「地図上で南緯55度線を追って行くと、陸地として現われるのはここだけです。それこそが、この地の独自性をよく表しています」

アルフレッド・プーライリー

Alfredo Pourailly with leica sl on a boat

アルフレッドの使用機材

Alfredo Pourailly mit der SL3

ライカSLシステムの使用感

「『ライカSL3』と『ライカSL3-S』は、とても汎用性の高いカメラです。これまで以上に様々な芸術的表現に取り組むことを可能にしてくれます。また、焦点距離28~70mmなどのライカSLシステムの最新モデルだけでなく、伝説的なライカMマウントのレンズを使うこともできます」 

ティエラ・デル・フエゴ諸島に魅せられて

「世界の果て」との通称を持つ一方で、南極観光の起点でもあることから「始まりの地」とも呼ばれるティエラ・デル・フエゴ諸島。南緯55度線の大部分は鎮まることのほとんどない荒々しい海の上を走っていますが、唯一の例外となるのがビーグル水道、そしてさらに下方にあるホーン岬を含む、このティエラ・デル・フエゴ諸島です。アメリカ大陸の終点となるその場所で、世界最南端の入植者たちは未知の土地を故郷と定め暮らしを営んできました。冬至の頃、プーライリー・デ・ラ・プラザは「ライカSL3」と「ライカSL3-S」を手に、荒々しい手つかずの自然の中で1か月を過ごします。静けさの中で、この地が持つ絶対的な独自性と一体になっているという深い幸福感をかみしめます。

「この地を初めて訪れた時、目の前に広がる光景、漂う隔絶感、そして定住者たちの持つ不思議な魅力に心を奪われました。この仕事をしているおかげで、この土地をあちこち探索して回り、住人たちと交流するようになり、現地での暮らしを知る機会を得ることができました」

アルフレッド・プーライリー

Man with his Leica camera at the harbour.

短い日照時間、明るいレンズ

アルフレッド・プーライリー・デ・ラ・プラザは、人工的な照明よりも自然光を使った撮影を好みます。このため、冬至の時期を映画製作や写真撮影期間にあてるというのは、特別な挑戦でした。1日の日照時間が7時間しかないからです。そこで選んだのが「ライカ ノクティルックスM f0.95/50 ASPH.」です。「ライカSL3」に採用するのは初めてのことでしたが、レンズの威力は驚異的でした。というのも、この飛びぬけて明るいレンズは、その瞬間を単に写すにとどまらず、その描写の質感により、体験の深みと感情の余韻を強めるほどの力を持つからです。 

ライカMレンズの詳細を見る
Alfredo Pourailly with his leica sl camera

アルフレッド・プーライリーについて

チリ生まれのドキュメンタリー映画監督および写真家。また、製作会社55 SUR Mediaとアーティスト・イン・レジデンスプログラムARCAの創設者でもある。大学にて映画学を専攻、世界遺産と開発のための文化プロジェクトで修士号を持つ。監督兼カメラマンとして数々のプロジェクトを手掛け、特にデビュー作品である「The Fabulous Gold Harvesting Machine」は数多くの国際フェスティバルで賞を獲得した。社会的に重要なテーマに関連づけた撮影や創作活動を行っている。

制作スタッフおよび団体
監督および制作:アルフレッド・プーライリー・デ・ラ・プラザ/ 55 SUR media
撮影:グスタボ・アグルト・ベルガラ
音楽および編集加工:Sonamos
https://www.55surmedia.com/