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2023年度ライカ・ピクチャー・オブ・ザ・イヤー

マグナム・フォトの重鎮エリオット・アーウィットの作品が「2023年度ライカ・ピクチャー・オブ・ザ・イヤー」に。 全世界のライカギャラリーにて限定販売

ライカカメラ社(Leica Camera AG、本社:ドイツ・ウェッツラー、以下ライカ)は今年の「ライカ・ピクチャー・オブ・ザ・イヤー(Leica Picture of the Year)」に、ニューヨーク在住のマグナム・フォトグラファー、エリオット・アーウィットがユニークなモチーフを撮影した作品を選出しました。この『Bulldogs』は犬をモチーフにしたアーウィットのシグネチャー的な作品の一つで、数量限定のプリントを世界27のライカギャラリーで販売予定です。2000年に撮影されたこの写真のモチーフでは「犬と飼い主は外見が似ることが多い」という周知の事実が巧みに捉えられており、見る者の好奇心をかき立てる一枚となっています。

犬と飼い主の完璧な共生関係をアーウィットが偶然発見したのは、近所を散歩している時でした。彼はその瞬間をよく覚えています。「マンハッタンのアッパーウェストサイドの目と鼻の先にある自分のスタジオから出て、友人の久保田博二と散歩をしていた時、私はカメラは持っていませんでした。でもこの場面を目撃して、カメラを貸してくれるよう彼に頼みました。彼が親切にも自分のライカを貸してくれたので、フィルムを使い切るまで撮影したのです」 フィルムの最後のコマを撮影する頃には、構図とコンセプトのあらゆる要素がしかるべき場所に落ち着き、犬と飼い主の頭部の重なり具合も完璧になりました。犬と飼い主はまるでシュルレアリスムアートのような構図でしたが、写真左側にいる二匹目のブルドッグも偶然同じポーズを取ったことでこの写真のどこかユーモラスな魅力がさらに際立っています。アーウィットは辛抱強く取り組むことで、新たな代表作となる写真を撮影することができたのです。彼がそうする理由は「たくさん写真を撮ることが優れた一枚につながるから」だと言います。

アーウィットは現在95歳で、写真撮影に絶え間なく励んできた80年近い歳月を過ごしてきました。彼の写真が持つエレガントな軽みと日常のユーモアを見出す洗練されたセンスが、モチーフを記憶に残る一枚に仕立てています。彼の持つ正確な目、遊び心、そして決定的瞬間を捉える能力によって、人生の重層的な意味を見る者に伝えます。しばしば犬が写真の主役になりますが、それがまた彼のトレードマークとなっています。アーウィットはロシア人移民の一人息子として、1928年にパリで生まれ、ミラノで育った後、戦火を逃れて家族とともにニューヨークに移り住みました。写真撮影を初めて経験したのはロサンゼルスですが、1946年にニューヨーク市を生活の拠点にして、1953年にマグナム・エージェンシーのメンバーになりました。報道の仕事と商業写真の撮影に交互に携わる傍ら、今日彼が最も重要視している個人的なプロジェクトにも取り組んできました。彼の作品には、写真撮影史上最も有名なモチーフに数えられているものが多数存在することから今回「ライカ・ホール・オブ・フェイム」の栄誉に輝きました。

ライカは2021年以来、「ライカ・ホール・オブ・フェイム」に殿堂入りしたライカフォトグラファーの作品を「ライカ・ピクチャー・オブ・ザ・イヤー」に選出しています。エリオット・アーウィットは生涯にわたる功績を認められ、13人目の受賞者となりました。ラルフ・ギブソンやトーマス・ヘプカーに続き、今年はエリオット・アーウィットが撮影した一枚が「ライカ・ピクチャー・オブ・ザ・イヤー」に選出されました。

<2023年度ライカ・ピクチャー・オブ・ザ・イヤー>

エリオット・アーウィット
New York City, USA 2000
ファインアートプリント
全体サイズ: 40 x 50 cm (15.74 x 19.69 inch)/写真イメージのサイズ: 25.4 x 38.1 cm (10 x 15 inch)
シリアルナンバー、サイン入り
特製フォルダー入り、シリアルナンバー入り証明書付き
販売数: 80 部(世界のライカギャラリーでのみ販売)
2023年11月発売予定

「ライカ・ホール・オブ・フェイム・アワード」について

ライカのカメラで撮影したワンシーンが、世界中の人々の心を揺さぶり、その記憶に鮮明に残る──。私たちを取り巻くこの世界を独自の視点で捉え、その写真作品で何らかの変革やムーブメントを起こしてきた偉大な写真家に対し、ライカは2011年から「ライカ・ホール・オブ・フェイム・アワード」を授与しています。受賞者たちの作品は自己のクリエイティビティの表れでもあります。そしてそこには「人間とは何か」が印象的に視覚化されており、それぞれの時代を象徴する不朽の名作として大勢の人々の記憶に刻まれてきました。過去の受賞者には、ジャンニ・ベレンゴ・ガルディン、ルネ・ブリ、ブルース・デビッドソン、ラルフ・ギブソン、アラ・ゲラー、トーマス・ヘプカー、バーバラ・クレム、スティーブ・マッカリー、ジョエル・マイロウィッツ、ユルゲン・シャデベルク、ニック・ウト、ヴァルター・フォーゲルがいます。エリオット・アーウィットは13人目の受賞者となります。

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ライカカメラ社-写真撮影のパートナー

ライカカメラ社は、カメラ製品とスポーツオプティクス製品をグローバルに展開するプレミアム企業です。卓越した品質の製品を作り続けた長きにわたる伝統とドイツのクラフツマンシップや革新的な技術と結びついた工業デザインにより、ライカブランドは伝説と呼ばれるほどの評価を確立しています。写真界の発展に寄与する活動として、世界各地に展開するライカギャラリーやライカアカデミーに加えて、「Leica Hall of Fame Award」の創設や、世界で最も権威のある国際写真コンテストのひとつとして認知されている「ライカ・オスカー・バルナックアワード(LOBA)」を主催するなど、さまざまな文化活動も行っています。
ライカカメラ社は、ドイツのヘッセン州のウェッツラーに本社を置き、ポルトガルのヴィラ・ノヴァ・デ・ファマリカンに第二工場を持っています。また、世界の各地域に拠点を築き、直営の販売店を独自のネットワークにより運営しています。