100 YEARS OF LEICA – 上海での記念イベント

Entrance that looks like a Leica lens

古き良き歴史とイノベーションが独自の調和を見せる中国最大の都市、上海。その伝統と革新の融合にはライカの哲学と通じるものがあります。7月25日のオープニングセレモニーは、歴史のロマンを感じさせる上海郵政博物館を会場に行われました。近未来的な都市風景を描く高層ビル群を背景に佇む歴史的建造物は、新旧の交錯をまさに象徴する空間であり、記念イベントの幕開けを告げるに相応しい舞台となりました。8月末まで、ライカは上海にて100周年記念イベントを展開。これまでの歩みを称えるとともに、未来への新たな展望を指し示します。

ウォーターフロント「外灘」がライカのレッドカラーに

7月25日、文化および建築上の重要建造物である上海郵政博物館の外壁が、ライカを象徴するレッドカラーの光で彩られました。また、有名なウォーターフロント・プロムナード「外灘(ワイタン)」も、超高層ビル群が広がる浦東新区の街並みと共に赤い輝きに包まれました。バロック様式の旧上海郵政局の建造物は、「ライカI」と同世代となる1924年に誕生し、1世紀にわたり時代の変遷を目撃し続けてきました。その姿には、ライカを形づくってきた100年の歩みを重ねることができます。「歴史を残し特別な瞬間を永遠に記録すること」。上海郵政博物館は、まさにそれを体現する存在です。

この夜、特別なサプライズとなったのが、「外灘」と同様に上海のランドマークである超高層タワー「シナールマスプラザ」。同じくレッドカラーに包まれたタワーには、煌めく摩天楼を背に「ライカI」の100年の歴史を伝える動画が写し出され、近日開幕する展示を予告するとともに、ライカの歴史における新たな章の始まりを強く印象づけました。

蘇る写真界のアイコン

オープニングで注目を集めたのが、ライカフォトグラフィーの100年を祝って披露されたビジュアルパフォーマンスです。ライカの深く豊かな写真史から得たインスピレーションをもとに、4つの象徴的な写真が芸術的なダンスパフォーマンスと圧倒的な光のインスタレーションによっていきいきと蘇りました。一大スペクタクルとなったパフォーマンスは、記念イベントの一環として開かれる写真展に作品を寄せた写真家たちに向けられたものでもあります。展示では、中国を始め世界中の写真家たちがライカのカメラで捉えたパーソナルな作品を紹介しています。

歴史的空間でビンテージカメラと出会う

歴史の重みを感じさせる上海郵政博物館では、「ビンテージカメラ・レンズアーカイブ」展が開催され、稀少なライカモデルとクラシックレンズで構成される魅惑のコレクションが公開されました。その中には中国の文化に着想を得た特別限定モデルも含まれており、干支にちなんで制作された「ライカM6 辰年エディション」、「ライカM6 酉年エディション」などが展示されました。伝説的なノクティルックスレンズやズミルックスレンズなど、歴代モデルが一堂に会し、精緻な光学技術のたゆまぬ進化を一望させるものとなりました。

また、「クラフツマンシップ・ワークショップ」展では、オスカー・バルナックの手による下絵、個々のパーツに分解された「ライカM11」、製品の原材料やレンズ部品などが、「LFIライブラリー」では、「LFI」(Leica Fotografie International)創刊号から現在までの表紙セレクションが紹介されました。

 

 

 

 

写真でたどる1世紀

7月26日、「1世紀の目撃者 - 中国とライカの邂逅」展が華々しく開幕しました。8月末まで開催される同展の柱のひとつとなるのが、写真界を代表する巨匠から気鋭の才能まで、ライカを愛用する写真家たち32名の作品で構成されるセレクション。

ライカと中国の100年にわたる結びつきを紹介する同展では、中国人として初のライカフォトグラファーとなったジン・シシェン(金石声)、フォトジャーナリストとして有名なウー・ジアリン(呉家林)、ピューリッツァー賞受賞したリウ・ホン・シン(劉香成)、「ライカ・ホール・オブ・フェイム・アワード」受賞のスティーブ・マッカリー、そして中国人として初めて「ライカ・オスカー・バルナックニューカマーアワード」を受賞したフアン・ジン(黄京)などの作品が並びます。

写真一色に染まる週末

オープニングセレモニーに続き、7月26日と27日にはファンイベントを開催。著名な中国人写真家たちのトークに耳を傾けようと、中国全土からライカファンが駆けつけました。また、専門家による製品の説明やワークショップなど、ビンテージカメラの魅力に触れる数多くのイベントがファンを楽しませました。700名を超える参加者が、まさに写真漬けとなる週末を満喫、また5万4000人がライブ配信で参加しました。
 

Speech by Li Xiaoliang

写真と過ごす夏

上海では、著名な写真家やライカの専門家によるトークやワークショップなど、魅力的なイベントが8月末まで毎週にわたり展開、制作の舞台裏や、写真に対する想いに触れることができます。

また写真展は、ライカコミュニティの活発な交流の場になることでしょう。写真の世界を巡る魅惑的なひと夏の旅が始まります。