Natives

Close-up of a man holding a camera with skyscrapers in the background.
Jason Roman - Leica SL3

「ライカSLシステム」は、私のキャリア、そしてアーティストとしての歩みにおいて最も重要なカメラです

Jason Roman(ジェイソン・ローマン)

Jason Roman - Natives - Leica SL3

Jason Roman

Jason Roman

"「ライカSL3」の可能性は、私の想像をはるかに超えています "

" このカメラを手にしたことで新たな挑戦への衝動に駆られ、最近では自分の専門分野とはかけ離れた被写体を撮り始めました。アーティストとして興奮と恐怖が交錯する体験です。初めてカメラを手にして以来、私は常にニューヨークの街-人々、建築物やビル群、舗道に散らばるパンくずにまで魅了されてきました。 

しかし、ある日このファインダーを通して新たな視点を見出し、新プロジェクトの誕生を感じました。自身を進化させ、挑戦し続けるためのツールは何物にも代えがたいものであり、「ライカSL3」は私の情熱と好奇心に寄り添うだけでなく、限界を押し広げるサポートとなってくれます。ハトのポートレートを撮影することは大きな挑戦ですが、「ライカSL3」の高解像度とオートフォーカス機能がその可能性を広げてくれました。私はカメラの限界ではなく、自分自身の限界だけを追求しながら撮影することができたのです "

JasonRoman-NativesLeicaSL3

このプロジェクトのコンセプトはどのようにして生まれたのですか?

このプロジェクトは、数年前から私の潜在意識に眠っていたものです。2~3年ほど前、ニューヨーク市街のありふれた写真を撮ることを、意識的に避けていると気づきました。ニューヨークでの生活を象徴するものではなく、それ以外の作品を手がけることが重要だと感じていたのです。この考え方が生粋のニューヨーカーである自分のルーツを真に受け入れた作品を生み出すことを妨げていました。ある日、他の写真家の作品を見ていた時、とても美しいハトの写真が目に留まり、その瞬間にまるで眠りから覚めたような気がしました。どうして私のアーカイブには鳩の美しい写真がないのだろうかと。その思いはずっと頭の中にとどまり、ニューヨークを象徴するすべてのものについて考えさせられました。そこから舗道にこびりついたチューインガムから電線にぶら下がる靴まで、あらゆるものを撮影する道へと進むことになります。私はニューヨークの他の写真家たちのために写真を撮っているのではなく、カメラを持っていない人たちや、ニューヨークに一度も訪れたことがない人々のために撮っているのだと気づいたのです。この新しい考え方を持ち始めてまもなく、「ライカSL3」を手にする機会に恵まれました。タクシーの窓からハトを見つめていた私にとって、まさに絶好のタイミングでした。

Jason Roman - Natives - Leica SL3

なぜこのストーリーを語ることが重要だと感じたのですか?

このストーリーが私にとって重要なのは、それが私自身の物語だからです。生粋のニューヨーカーとして、故郷が投げかけてくるインスピレーションに耳を傾け、それをアートへと昇華するためにベストを尽くしています。

創作のプロセスについて詳しく教えてもらえますか?

創作のプロセスは、ほとんどが試行錯誤の連続でした。できるだけ毎日撮影し、撮った写真を見直しては、自分にしっくりくる美学が偶然見つかるのではないかと期待していました。鳩のポートレートという新しいスタイルがどのようなものになるか確信が持てなかったので、あらゆることを試す実験的な段階が続いていたと言えます。最終的な美学にたどり着いた日は素晴らしい日でしたが、それまでには数千枚におよぶ撮影と試行錯誤が必要でした。適切なレンズを用いて適切な距離で撮影することで生まれる絵画的な美学を見つけるまでの道のりは長かったです。

Jason Roman - Natives - Leica SL3

このプロジェクトの視覚的アプローチについて教えていただけますか?

このプロジェクトは、ハトだけに焦点あてることが重要だと感じました。ハトが集まる世界の中に入り込んで撮りたかったのです。最終的に目指したのは、まるで絵画のような作品を生み出すことでした。そのため被写界深度が非常に浅い極端な望遠レンズを使い、絵画的でキャンバスを想起させるような仕上がりを実現することが大切でした。それがほとんどを縦構図で撮影することにした理由です。横構図で撮影すると、横長のフレームが映画のようにストーリーを語っている感覚がありますが、縦長のフレームには絵画のような印象があります。

このプロジェクトから他の人たちに何を感じ取ってほしいですか? 

このプロジェクトを通じて、身近なものの中にもインスピレーションが見つかることを想起してもらえたらと願っています。私たちはよく知っている場所での経験は、受け流してしまいがちです。このプロジェクトが、普段見過ごしてしまうような何気ないものに、もう一度目を向けるきっかけになればと思っています。