第45回Leitz Photographica Auction

コンセプトモデルからプロトタイプまで:45回目の開催を迎える今回は希少なM型ライカが多数お目見え
 

2024年はライカにとって大きな節目の年です。ライカがM型カメラの初代機を世に送り出し、写真の歴史を一変させるきっかけとなったのが今からちょうど70年前のことでした。オーストリアのオークションハウスであるライツ・フォトグラフィカ・オークションは、この記念すべき年を祝福する意味を込めて、今回のオークションにて歴史的にも価値の高いM型ライカを多数出品いたします。全機能が正常に動作するM型ライカのプロトタイプや初期のプロトタイプシャーシ10点セットのほか、非常に希少性が高い1960年製造のグレーペイントの「ライカM2」やライツ社のマーケティング部門のために製造された最初期のブラックペイントの「ライカM3」といったレアなM型ライカが出品されます。45回目を迎える今回のオークションは、本年11月23日にウィーンのホテル・ブリストルにて開催されます。

今回出品されるアイテムは423点にのぼり、写真文化の豊かで多様な歴史を感じさせる逸品が揃います。ドイツ語で距離計を意味する「Messsucher」が名称の由来であるライカMシステムは、1954年に初代M型ライカが登場して以来、時代時代の革新技術を取り入れたカメラシステムとして、そして影響力のある報道写真家たちの多くが愛用するカメラシステムとして認知度を高め、写真の歴史の一端を担う重要な存在へと進化を遂げてきました。
 

ライカMシステムの歴史の礎を築いた初期のプロトタイプたち

M型ライカの初代モデルが市場に投入されるまでには数年間の開発期間があり、その間に非売品のプロトタイプがいくつか製造されています。今回のオークションでは1948年から1949年にかけて製造されたプロトタイプのうち全機能が正常に動作する状態で残っている「Leica M prototype」(ロット番号76)が出品されます。「このアイテムはM型カメラのプロトタイプとして知られている中で最初期のもののひとつです。シリアルナンバーはなく、すべてのパーツが手作業による削り出しという独自の製法でつくられています。これまで『Leitz Photographica Auction』に出品されたアイテムの中でもトップクラスの希少性を誇る、『ライカM3』のユニークなプロトタイプです」 と、ライツ・フォトグラフィカ・オークションの社長であるアレクサンダー・セドラクは語っています。今回は非常に希少なレンズ「M-mount Elmar 3.5/3.5cm」とのセットでの出品となるこのアイテムは、60万~70万ユーロで落札されると予想されています。

ライカMシステム開発の歴史は上述のプロトタイプよりもさらに遡ることができます。それを裏づけるアイテムが、1936年からの17年間にライカの技術者により製造された10点のプロトタイプ「Leica IV to M series Collection of Prototypes」(ロット番号79)です。このアイテムには、1936年製造の「ライカIII」の改良機のシャーシから1953年製造のアルミニウム製の「ライカM」のボディまでが含まれており、17年間のM型ライカ開発の過程を見て取ることができます。M型ライカの進化を辿ることができるこの歴史的なアイテムは、入札開始価格が15万ユーロ、予想落札価格が30万~34万ユーロとなっています。
 

グレーペイントや特別に製造されたM型ライカも登場

M型ライカはさまざまな分野への適応性にも優れており、軍用や公用のカメラとしても高く評価されてきました。その顕著な例が今回のオークションに出品される「Leica M2 grey paint」です。このアイテムは1960年にドイツ・ヴィースバーデンに駐留していた在欧アメリカ空軍に支給されたカメラのうちの1台です。支給されたのはわずか20台で、個体のシリアルナンバーは「1005769」。「希少価値が高いうえに状態も良好であることから、ライカのカメラとしては最もレアな機種のひとつとなっています」 とセドラクは語っています。予想落札価格は50万~60万ユーロです。

今回出品される非常に貴重なアイテムとして、「Leica M3 black paint Black Dial」(ロット番号83)も挙げられます。このカメラは1958年にライツ社のマーケティング部門用に製造されたデモ機です。マーケティング部門へ提供されたのは1958年12月12日のことで、同じブラックペイント仕上げのレンズ「Summicron 2/5cm」とセットでの出品となります。歴史的にも価値が高い本品の予想落札価格は28万~32万ユーロです。
 

チャリティーアイテムはライカMシステム誕生40周年を記念したM型ライカ

「Leitz Photographica Auction」恒例のチャリティーアイテムも登場します。今回はライカMシステム誕生70周年にちなみ、「ライカM6J」がチャリティーアイテムに選ばれました。このカメラはライカMシステム誕生40周年を記念して1994年に製造された特別限定モデルで、個体のシリアルナンバーは「1994-10」です。状態は新品同様で、沈胴式のレンズ「Elmar 2.8/50mm」とのセットとなります。予想落札価格は6,000~7,000ユーロです。落札金はオーストリアのチャリティー番組『リヒト・インス・ドゥンケル』に全額寄付されます。
 

入札は会場のほかオンライン、書面、電話でも可能

第45回「Leitz Photographica Auction」は、本年11月23日午前11時(中央ヨーロッパ時間)からオーストリア・ウィーンのホテル・ブリストルにて開催されます。事前入札は、オンラインまたは書面で受け付けいたします。オークション当日は、会場入札のほか、ライブオークションサイト(www.leitz-auction.com および www.liveauctioneers.com)または電話でのリアルタイム入札も可能です。
 

今回のオークションについての詳細は、「Leitz Photographica Auction」のウェブサイトにてご覧いただけます。

第45回Leitz Photographica Auction
開催場所:ホテル・ブリストル(オーストリア ウィーン)
開催日時:2024年11月23日午前11時(中央ヨーロッパ時間)から | 日本時間:2024年11月23日19時から

https://www.leitz-auction.com

 

Press Release: 45. Leitz Photographica Auction_October 2024.pdf
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ライカカメラ社-写真撮影のパートナー

ライカカメラ社は、カメラ製品とスポーツオプティクス製品をグローバルに展開するプレミアム企業です。卓越した品質の製品を作り続けた長きにわたる伝統とドイツのクラフツマンシップや革新的な技術と結びついた工業デザインにより、ライカブランドは伝説と呼ばれるほどの評価を確立しています。写真界の発展に寄与する活動として、世界各地に展開するライカギャラリーやライカアカデミーに加えて、「Leica Hall of Fame Award」の創設や、世界で最も権威のある国際写真コンテストのひとつとして認知されている「ライカ・オスカー・バルナックアワード(LOBA)」を主催するなど、さまざまな文化活動も行っています。
ライカカメラ社は、ドイツのヘッセン州のウェッツラーに本社を置き、ポルトガルのヴィラ・ノヴァ・デ・ファマリカンに第二工場を持っています。また、世界の各地域に拠点を築き、直営の販売店を独自のネットワークにより運営しています。