溢れる色彩を求めて
心から好きなことをする、ただそれだけ
好きなものへの情熱が、スティーブ・マッカリーを世界中へ導きます。その土地らしさを感じさせる、ふとした瞬間を探しながら。数十年にわたり、彼は写真を通じて様々な土地、そして人との出会いを重ねています。今回の目的地はインドのコルカタ。「ライカSL3-P」を手に、溢れる色彩、絶え間ない喧噪が息づく街の奥深くへと入り込んでいきます。
人と車、その奔流に立ちカメラを構えるスティーブ。胸に抱くのは、どんな時も尽きることのない好奇心です。
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コルカタの雨季
コルカタの雨季は、雨に次ぐ雨。土砂降りの雨は通りの景色を一変させ、街ではそこかしこに水が溢れます。それでも、いつもの喧騒が静まることはありません。天候に動じることなく、刻々と変化する状況の中をスティーブ・マッカリーは自由自在に動き回ります。ただひたすら目を向けるのは、雨と光。雨によって光がどう変わるのかということだけです。
「状況を受け入れ、流れに応じ、動き続けなければなりません。この街が常に動き続けているのですから」
スティーブ・マッカリー
人と人とをつなぐもの
周囲の環境と身も心も一体となって、じっとそこにとどまること。ありのままの姿を捉えるには、それが必要だとスティーブ・マッカリーは固く信じています。それは、フォトグラファーとしての道を歩み始めた時からずっと、創作の基盤となっているアプローチ。一枚を生み出す前にスティーブが自身に投げかけるのはシンプルな問いです。なぜ自分はここで足を止めたのだろうか。光?色?それとも何かのメッセージ?
騒がしいコルカタの通りには、スティーブを何度となく引き寄せるアジアの魅力がぎっしりと詰まっています。人、彼らの持つ文化、そして日々の暮らしに強烈に惹かれるのです。スティーブは様々な土地を訪れますが、どこへ赴いても変わらないひとつの信念があります。それは、
異なる伝統や慣習の根底には、私たちすべてをひとつに結ぶ「人間性」が潜んでいる、というものです。
スティーブはまた、最も優れた写真とは、何も特別な瞬間に生まれるものばかりではないと考えています。写真と撮る、それは完璧な瞬間を待ち構えることではなく、自身の日々の営みをそっと捉えることなのです。
「いちばん大切なのは、写真の背後にあるストーリー。その場所の本質を映し出すものです」
スティーブ・マッカリー
スティーブ・マッカリーの使用機材
スティーブ・マッカリーは、10年以上にわたり、ライカSLシステムを使っています。これまですべての世代のモデルで撮ってきました。最初に惹かれたのは、卓越したライカSLシステムのレンズでした。スティーブが主に使用しているのは「ライカ バリオ・エルマリートSL f2.8-4/24-90 ASPH.」で、SLカメラの直感的な操作性、手元から伝わる確かさと並んで、レンズが持つ豊かな色再現を高く評価しています。それこそが、ライカSLシステムをずっと使い続ける理由であり、現在に至るまでライカSLカメラを超えるカメラはないと、スティーブは評しています。
「シンプルでありたいと思っています。カメラ1台、レンズ1本、予備のバッテリーとSDカードがあれば十分。それ以上は必要ありません」
スティーブ・マッカリー
物語を撮る
コルカタへの旅は彼に深い余韻を残しました。雨季の激しさから人々の温かさまで、どこを歩いても、街は常にモチーフで溢れかえっていました。人との出会い、訪れた場所や暮らしの表情まで。心に深く刻まれるコルカタの物語を写真でお楽しみください。
スティーブ・マッカリーのビジュアルランゲージ
ライカアーティストルックとして登場
スティーブ・マッカリーのライカ「Artist Look」は、彼の写真を特徴づける表現豊かな色彩から着想を得ています。深みのある鮮やかな色彩と自然なコントラストが、時代を超えて愛されるドキュメンタリー写真の美学を表現。あらゆる瞬間に宿る人々の尊厳や感情、そして人と人とのつながりを印象的に描き出します。
スティーブ・マッカリー
1950年、米国フィラデルフィア生まれ。ペンシルバニア州立大学で映像と舞台芸術を学ぶ。40年以上にわたり、その作品は数多くの雑誌や書籍の表紙を飾ってきた。多数の出版物や国内外での写真展でも知られ、現代の写真界を代表するアメリカ人写真家のひとりである。作品の中心に据えるのは人であり、飾らないありのままの瞬間、はっきりと映し出された内面、顔に刻まれた人生の痕跡を追い求め、個人の本質となる部分、その人らしさを捉えることを試みている。
『ナショナルジオグラフィック』誌の表紙を飾った伝説のポートレート「アフガニスタンの少女」(1984年)によって、写真家・フォトジャーナリストとして一躍注目を浴びることとなる。テーマとするのは、対立や葛藤、消えゆく文化、古い伝統、そして現代の暮らしであり、そこでは常に人間的側面に主眼を置いている。1986年に、有名なマグナム・フォトの正会員となる。これまでに数多くの賞を受賞、なかでも「世界報道写真コンテスト」では4度の受賞歴を持ち、「ライカ・ホール・オブ・フェイム・アワード」の受賞者でもある。また、創作活動を紹介する20冊以上の写真集を出版している。