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第 42 回 Leitz Photographica Auction レポート

ライカカメラ社(Leica Camera AG、本社:ドイツ・ウェッツラー、以下ライカ)は、去る6月9日と10日に第42回「Leitz Photographica Auction」を開催しました。今回のオークションでも、ヴィンテージのカメラやレンズ、希少価値がある写真作品など、貴重なアイテムがバラエティー豊富にラインアップ。中でも特に人気が高かったのは、「Leica M3 black paint First Batch black dial」と「Leica I Mod. A Anastigmat」でした。入札は、今回オークション会場となったウェッツラーのライツ・パークでの直接入札のほか、オンライン・電話での入札も受け付けました。歴史的に価値あるカメラが数多く出品された中で最高落札価格を記録したのは「Leica 250 GG Reporter + Leica-Motor MOOEV」で、90万ユーロ*という高値が付きました。一方、写真作品で最高落札価格を記録したのはマッシモ・ヴィターリが撮影した「Cagliari (Red Umbrella)」で、3万3,600ユーロ*でした。写真の世界において唯一無二のオークションとして注目を集める「Leitz Photographica Auction」は、今回も充実した内容となりました。

「Leitz Photographica Auction」は年代物のカメラとカメラ関連アクセサリーを専門に取り扱うオークションで、年に2回開催されます。写真関連用品専門オークションとしては国際的な知名度と世界最大級の規模を誇ります。42回目を迎えた今回は、6月9日と10日の2日間の日程で開催。初日は「Modern Times」と銘打った写真作品のオークションで、ハロルド・エジャートン、ラウル・ハウスマン、イモージン・カニンガム、ヘルムート・ニュートン、アンセル・アダムス、ウォーカー・エヴァンスらの作品を含む100点が出品されました。今回出品されたアイテムで最も古い作品は、ルイス・ハイン(1874-1940)が撮影した「Child at Window」でした。撮影されたのは1910年で、今回のオークションで最高落札価格を記録した「Cagliari (Red Umbrella)」(1995年撮影)よりさらに85年も古い作品です。「Cagliari (Red Umbrella)」の作者は、大判カメラで撮影したカラー写真で名を上げた1944年生まれの写真家マッシモ・ヴィターリです。サルデーニャ島のビーチで休日を楽しむ人びとの様子を写した作品は、豊かな色彩ときわめて細やかなディテールの描写が際立つ傑作です。この作品は最終的に3万3,600ユーロ*で落札されました。

 

テリー・オニールとの特別コラボレーションセットを巡る熾烈な入札合戦

2日目は歴史的に価値あるカメラと年代物のカメラ関連アクセサリーのオークションでした。こちらも初日と同様に大盛況となり、高額落札が期待されたアイテム以外でも素晴らしい結果を残しています。開催前から注目度が高かった1948年製造の「Leica 250 GG Reporter + Leica-Motor MOOEV」は、激しい入札合戦の結果、90万ユーロ*で落札されました。同じく開催前に目玉アイテムに挙げられていた「Leica M3 black paint First Batch black dial」は54万ユーロ*で落札。これらの高価格帯のアイテム以外でも予想を大きく上回る高額落札が相次ぎました。たとえば、アルミニウム製のケース「Thambar 2.2/9cm Tropen Case」は、予想落札価格を3,000ユーロも上回る4,800ユーロ*で落札されました。「Leica MD-22 'Betriebskamera'」(名称は開発時のコードネーム)も今回のオークションで話題をさらったアイテムのひとつです。予想落札価格は2万~2万2,000ユーロでしたが、最終的には13万2,000ユーロ*という高値が付きました。

これらのアイテム以上に予想を上回る高値を記録したのが、「Leica MP 'Terry O'Neill'」です。テリー・オニールは2019年にその生涯を閉じたイギリスの写真家です。初日の「Modern Times」ではオニールが撮影した名作「The Morning After」も出品され、7,800ユーロ*で落札されました。そして2日目に出品されたのが、オニール自身が所有していた「ライカMP」です。この「ライカMP」は2018年に登場したライカとオニールのコラボレーションによる特別限定セットに含まれていたもので、限定販売された35セットの中の1台となります。今回は、同じ特別限定セットに含まれていた「ライカ ズミルックスM f1.4/50mm ASPH.」と、オニールが撮影したオードリー・ヘップバーンの限定プリント(ヘップバーンの肩に鳩がとまっている写真)との3点セットで出品されました。予想落札価格は3万2,000~3万6,000ユーロでしたが、熾烈な入札合戦の末に24万ユーロ*で落札されました。その他にも著名な写真家が所有していたカメラが何点か出品され、同様に白熱した入札合戦が繰り広げられました。

「Leica M2 black paint 'Walker Evans'」(ロット番号192、予想落札価格6万~7万ユーロ)は7万2,000ユーロ*で、「Leica M3 black paint outfit 'John Bulmer'」(ロット番号194、予想落札価格8万~10万ユーロ)は10万2,000ユーロ*でそれぞれ落札されました。

*いずれも落札手数料を含む金額

 

チャリティーアイテムは7万2,000ユーロで落札

「Leitz Photographica Auction」の恒例のひとつとなっているのが、落札金が全額寄付されるチャリティーアイテムの出品です。今回チャリティーアイテムとして出品されたのは「Leica M11 'Brass'」で、こちらも大きな注目を集めました。このカメラは、ある写真愛好家のハリウッドスターのアイデアをもとに2021年に製作されたものです。外部に露出している金属部分がすべて真鍮製となっており、通常のアルミニウム製のモデルよりも使い込んだ風合いが早く出てくるのが特徴です。製作されたのはわずか2台で、1台はアイデアを提供したハリウッドスターの手に渡りました。今回チャリティーアイテムとして出品されたのはもう1台の方です。

「チャリティーアイテムの出品は『Leitz Photographica Auction』の恒例となっており、コレクターからも大きな注目を集めています。今回も『Leica M11 'Brass'』というきわめてレアなアイテムを提供することができたうえ、落札価格も7万2,000ユーロとなり、満足のいく結果となりました。落札金はオーストリアのチャリティー番組『リヒト・インス・ドゥンケル』に寄付されます」 と、オークションハウスであるライツ・フォトグラフィカ・オークションの社長 アレクサンダー・セドラクは語っています。「落札価格は1万2,000~1万4,000ユーロとの予想でしたが、結果的に6万ユーロで落札となり、そこへ落札手数料1万2,000ユーロを加えて、その全額が寄付されます」

 

次回の開催場所はウィーン

次回の第43回目「Leitz Photographica Auction」は2023年11月24日と25日にウィーンで開催予定です。その準備はすでに進められており、ライカカメラ・クラシックス社の担当チームは現在、出品するカメラと写真作品を募集しています。担当チームによると次回も著名な写真家の写真作品やカメラが主軸となる予定です。

今回のオークションについての詳細は「Leitz Photographica Auction」のウェブサイトにてご覧いただけます。www.leitz-auction.com

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Leica Camera – A Partner for Photography

Leica Camera AG is an international, premium manufacturer of cameras and sports optics. The legendary reputation of the Leica brand is based on a long tradition of excellent quality, German craftsmanship and German industrial design, combined with innovative technologies. An integral part of the brand's culture is the diversity of activities the company undertakes for the advancement of photography. In addition to the Leica Galleries and Leica Akademies spread around the world, there are the Leica Hall of Fame Award and, in particular, the Leica Oskar Barnack Award (LOBA), which is considered one of the most innovative sponsorship awards existing today. Furthermore, Leica Camera AG, with its headquarters in Wetzlar, Hessen, and a second production site in Vila Nova de Famalicão, Portugal, has a worldwide network of its own national organisations and Leica Retail Stores.