歴史的にきわめて希少価値が高いカメラ「Leica 0-Series No. 112」が ライカ100周年記念イベントの一環として開催されるオークションに登場
100年前にライカ初の量産35mmカメラとして知られる「ライカI」は、そのコンパクトで扱いやすいサイズによって写真の新たな用途の可能性を切り拓き、写真の世界へ革命をもたらしました。エルンスト・ライツ社によってその製造が開始される2年前にまずプロトタイプが製造されました。それが「ライカ0型(Leica 0-series)」と呼ばれるカメラです。製造台数はごくわずか:シリアルナンバー101~125で、現存が確認されているのはその半数ほどです。写真の歴史に名を刻み、フォトジャーナリズム誕生の道を切り拓いた「ライカI」のプロトタイプは、現在では非常に人気が高いコレクターズアイテムとなっています。2022年に開催された「ライツ・フォトグラフィカ・オークション」では、「Leica 0-Series No. 105」が1,440万ユーロ(落札手数料 を含む *1 )で落札され、オークションでのカメラの落札価格の世界記録を更新しました。その「ライカ0型」が本年6月にドイツ・ウェッツラーのライツ・パークで開催されるライカ100周年記念イベントの一環である「ライツ・フォトグラフィカ・オークション」で再び出品されることになりました。今回出品される個体はシリアルナンバーが“112”である「Leica 0-Series No. 112」です。また、ミラノのライカストアでは、「ミラノデザインウィーク2025 *2)」の開催にあわせて、4月4日から「Leica 0-Series No. 112」を一般に初公開します。
*1 手数料として落札価格の20%が落札者からオークションハウスのライツ・フォトグラフィカ・オークションに支払われます
*2 開催期間は2025年4月7日から4月13日です
本年6月にドイツ・ウェッツラーのライツ・パークで開催されるライカ100周年記念イベントの一環として、6月27日に第46回「ライツ・フォトグラフィカ・オークション」が開催されます。そこで出品を予定しているのが、写真史上最も希少価値が高いアイテムのひとつである「Leica 0-series No. 112」:およそ100年前に世界で初めて製造された35mmカメラのうちの1台です。
「Leica 0-series No. 112」は、完成後に当時エルンスト・ライツ社の試験部長だったオスカー・バルナック自身が所有することになった個体です。バルナックは第一次世界大戦直前に「ウル・ライカ」を開発しました。「ウル・ライカ」は、35mmフィルムを使用すること、そして上着のポケットにも入るほどの小さなサイズであることが特徴のカメラでした。その「ウル・ライカ」がベースとなり、プロトタイプの「ライカ0型」と「ライカI」が誕生することになったのです。
5年のうちに2度にわたり世界記録を更新
「ウル・ライカ」は現在ライカカメラ社(ライカの現在の商号)が所有する非売品ですが、「ライカ0型」については、カメラオークションを通じて歴史的に価値が高いカメラを収集する熱狂的コレクターが手に入れる機会が時折訪れます。「ライカ0型」がどれほど人気の高いアイテムであるかは、これまでのオークションの結果を見れば明らかで、直近の3回ではいずれも200万ユーロ以上で落札されており、そのうち2回は「ライツ・フォトグラフィカ・オークション」に出品されたものです。2018年に開催された同オークションでは、「Leica 0-series No. 122」が240万ユーロ(落札手数料を含む)で落札され、当時オークションでのカメラの落札価格の世界記録を更新しました。そしてその記録は2022年の同オークションで「Leica 0-series No. 105」が1,440万ユーロ(落札手数料を含む)で落札されたことで大幅に塗り替えられ、その世界記録は現在も破られていません。
「『ライカ0型』がオークションに出品されるというニュースは間違いなく世界中のコレクターの注目を集めるでしょう」と、ライツ・フォトグラフィカ・オークションの社長であるアレクサンダー・セドラクは語っています。「『ライカ0型』は現在の写真の礎を築いたカメラです。それほど重要な意味を持つアイテムを『ライカI』誕生100周年を祝うかたちでオークションに出品できることを非常にうれしく思います」
ライカストア ミラノでは「ミラノデザインウィーク2025」のイベントの一環として「Leica 0-Series No. 112」を4月4日から一般に初公開します。第46回目の開催となる「ライツ・フォトグラフィカ・オークション」の最大の目玉となる希少なアイテムにふさわしい特別な場でのお披露目となります。その他の注目アイテムについても順次発表され、オークションのカタログは5月に出版予定です。
今回のオークションについての詳細は「ライツ・フォトグラフィカ・オークション」のウェブサイトにてご覧いただけます。
https://www.leitz-auction.com/en
ライカカメラ・クラシックス社について
ドイツに本社を置くライカカメラ社は、ウィーンに子会社を2社設置しています。ひとつはライカカメラオーストリア社で、もうひとつがライカカメラ・クラシックス社です。ライカカメラ・クラシックス社はヴィンテージカメラを専門に取り扱う子会社で、ヴェストバーン通り40番地にあるストアでは約1,500点のアイテムがご覧いただけます。同ストアは歴史的に価値があるライカのカメラなどの補修部品も数多く保有しており、その保有数は世界最大を誇ります。その豊富な補修部品により、常駐の技術者がコレクターズアイテムに求められる高水準の点検や必要に応じてオークションへの出品前の修理を行うことも可能になっています。
ライカカメラ・クラシックス社は毎年6月と11月の2回「Leitz Photographica Auction」を開催しています。このオークションは貴重な年代物のカメラを取り扱うオークションとしては世界有数で、国際的にも非常に価値があるオークションとして認知されており、世界100カ国以上から入札者が参加します。また、オンラインストアでは約5,000点のヴィンテージのカメラ関連製品を常時取り扱っています。
ライカカメラ社について
ライカカメラ社はカメラ、レンズ、スポーツオプティクスを製造・販売するグローバルなプレミアムメーカーで、150年以上の歴史を誇ります。近年は成長戦略の一貫として事業領域を拡大しており、モバイルイメージング(スマートフォン)の分野にも進出しています。また、高品質な眼鏡用レンズと腕時計の製造も手がけるほか、自社製プロジェクターによりホームシネマ市場に参入しています。
本社はドイツ・ウェッツラーにあり、ポルトガルのヴィラ・ノヴァ・デ・ファマリカンには第2工場を置いています。世界各地に独自の販売会社と120を超えるライカストアを構え、グローバルな販売ネットワークを構築しています。現在の従業員数は約2,400名で、2023-24会計年度の売上高は5億5,400万ユーロでした。
ライカは、革新技術が伴った「最高水準の品質」「ドイツならではのクラフツマンシップ」「インダストリアルデザイン」の代名詞となっています。そのブランド力を活かした活動の一環として、世界各地に約30箇所のライカギャラリーを設置、ライカアカデミーの開催、「ライカ・ホール・オブ・フェイム・アワード(Leica Hall of Fame Award)」や「ライカ・オスカー・バルナックアワード(LOBA)」といった国際的アワードの主催をはじめ写真文化の振興に取り組んでいます。